骨端線が損傷するともう身長は伸びない?骨端線損傷の原因と弊害を知って、子供の成長を見守りましょう!

成長期の子供の身長の伸びについて、切っても切れない重要ワードが「骨端線(こったんせん)」です。身長について色々と調べている方にとっては、なじみのある言葉かもしれません。しかしこの骨端線というものが身長とどのように関係しているのか、一般的にはそれほど認知されていないのが現状です。

子供の骨端線のあるレントゲン

そこでまずは骨端線について簡単にご説明し、その骨端線が損傷した場合の弊害についてご紹介します。

骨端線は成長期にのみ存在する!?

「骨端線」とは、身体が大きくなる成長期の子供の骨のみに存在する軟骨部分のこと。全身の骨の端(=骨端)部分に、横に長い線のように位置しています。軟骨はレントゲンには写らないため、レントゲン画像で成長期の子供の骨を確認すると、まるで骨の端部分が切れているかのように見えますが、その写っていない線が「骨端線」なのです。

脳下垂体から分泌される成長ホルモンが肝臓で作用し、IGF-I(ソマトメジン-C)という別の物質を作り出します。このIGF-I(ソマトメジン-C)が、先述の骨端軟骨部分を刺激して、軟骨を増殖させます(そのため「成長軟骨」とも呼びます)。

「身長が伸びる」とは「骨が伸びる。成長する」ことを意味します。つまり、軟骨が増えて骨が長くなることにより、身長が伸びるのです。そのため、身長が伸びる時期である成長期の子供の骨にのみ、軟骨部分の骨端線は存在し、成長期を過ぎた大人の骨には骨端線は見られなくなります。

骨端線損傷は骨のずれ?

「骨端線を損傷する」と聞くと、大人の骨折と同じく、骨の骨端線部分が折れてしまったようなイメージを思い描くかもしれませんが、実際には少し異なります。

正確には骨端線損傷は、骨端線の部分で骨が「ずれて」しまい、変形してしまうのです。なぜならまだ大人の固い骨になっていない軟骨は、外からの衝撃などですぐにダメージを負いやすく、また弾力性があるものの、元々が変形しやすくなっているからです。

また「リトルリーガーズ・ショルダー」(いわゆる「野球肩」)もまた、「上腕骨近位骨端線離開」という骨端線損傷のひとつの症状に挙げられます。この場合もまた、大人がかかる野球肘とは原因が異なり、子供の場合は軟骨の骨端線部分で炎症が起こったり、軟骨の一部が剥がれたりなどして起こります。

足の骨端線は身長に影響する

では身長の伸びに関係すると思われる、下肢部分の骨端線損傷に注目します。下肢部分の骨端線損傷は、高所から飛び降りたり無理な体勢でジャンプをしたり、捻挫や打撲などでも起こりやすいと言われています。

スポーツなどで無理な負荷を長期間にわたって骨端軟骨に与え続けると、先述の「リトルリーガーズ・ショルダー」のような症状が下肢部分の軟骨にも発症します。

ではこのような下肢部分の骨端線損傷は、身長の伸びを止めてしまうのでしょうか――その可能性は否めない、というのが現状です。

骨端線の早期閉鎖って?

まず骨端線損傷において懸念されるのが、「骨端線の早期閉鎖」です。足には「脛骨(けいこつ)」と「腓骨(ひこつ)」という2本の長骨が並んでいます。足首の関節部分の骨端線を損傷した場合、これら長骨のどちらかや両方の軟骨増殖が止まってしまう可能性があります。

もしも片方の骨端線が早期閉鎖してしまった場合、もう片方の長骨だけがそのまま伸びてしまうため、正しいバランスが取れずに変形してしまいます。また、もしも両方の長骨が同時に成長をやめてしまったとすると、もう片方の足(骨端線損傷をしていない方の足)の骨は伸び続けるため、左右の足の長さが異なってしまうのです。

骨の変形にも注意

次に骨端線損傷において懸念されるのは、「骨の変形」です。骨端線が損傷した状態で軟骨が増殖を続けた場合、自然には正常な形には戻らずに変形したままで骨が伸びるため、最悪の場合は歩行できなくなる可能性もあります。

なお歩行はできたとしても、関節部分の動きに不具合が生じ、加齢とともに全身に弊害が起きやすくもなります。

健やかな成長を見守って

結論として、骨端線損傷は身長の伸びに影響は与える可能性はあります。ただし必ずしも損傷をした全員の身長が止まるという訳ではありません。また、スポーツをしているからといって、絶対に骨端線を損傷する訳でもありません。

運動する子供

ただ、成長期の子供の骨は骨端軟骨があることを念頭に置き、十分に注意をして見守ってあげましょう。また少しでも子供の骨に違和感があるのなら、安易に考えずに整骨院や小児科など専門医を受診し、適切なケアを早急にするようにしてください。